Hさん 33歳 女性 名古屋市
<主訴>
手のしびれ
<症状の経緯>
Hさんは来院していただく2ヶ月ほど前から手のしびれが出始めて、どんどん症状が強くなってきたそうです。
また産後3ヶ月ほどということで整形外科に行くと産後に出る手根管症候群という診断を受け、リハビリなどを行いましたが症状にあまり変化はなかったという事です。
特にお子さんを抱っこしている時間が長かったり、ベビーカーを押すときに強くしびれがあって、仰向けで一晩寝ていると朝起きたときに両手が強くしびれ、痛みも出てしまう状態でした。
さすがにこのままでは育児はもちろんですが、今後仕事に復帰することを考えると心配があるということで、どこかいいところはないかと探していたところ当院のホームページで手根管症候群のことが詳しく書いてあったため来院されました。
<検査>
手のしびれが出ている方は、首や肩などの硬さが原因になっていることがほとんどなので、今回は全身の検査をしてどこの硬さが手のしびれの原因になっているのかを見つけるために検査を行いました。
まずは肩の検査を行いました。
肩の可動域は正面を向いた状態をスタートに右肩を前に上げていくと腕が耳の真横まで動いた。横に上げていくと120°で止まってしまった。
左も同じように肩を前に上げていくと耳の真横まで動いたが、横に上げていくとこちらも120°で止まってしまった。
本来の肩の動きというのは、左右とも前側は耳の真横の180°まで動くのが正常な動きで、横側も左右ともに耳の真横の180°まで動くのが正常な動きなので、肩を横に上げる動きが非常に悪くなっている状態。
次に首の検査を行いました。
首も肩の検査と同様に座って正面を見た状態からスタートして首を左右に動かしていきます。
この時右は60°程で止まり、左も60°程で止まってしまった。
本来であれば、鼻先を指標にして真横の90°まで動くのが正常な動きになるので、首の動きも悪くなっている状態。
<施術>
初回施術
最初は体液の循環(血液・リンパ液・脳脊髄液)を良くする施術を行いました。
この施術を行うことで肩を横に上げると先ほどは120°で止まっていた肩の動きが左右とも耳の真横の180°まで動くようになった。
首の動きも左右ともに70°程度まで動くようになった。
私の経験上、手のしびれの症状の場合は手首の向きにも原因があることが多いので、今回は手首の施術を入れていきました。
体液の循環を良くすることによって、なぜ動きが良くなるのかという事と手首の向きと手のしびれの関係を説明して初回の施術は終了しました。
【施術2回目(初回から3日経過)】
初回の施術後はまだしびれは残っていますが、寝てしびれが強くなることはなかったとのこと。
検査をすると肩を前と横に動かすと前側は正常なところまで動くが、横側は160°程度で止まってしまった。
首も左右ともに60°程度で止まってしまった。
前回と同様に体液の循環をよくする施術と手首の向きを正常に位置に戻す施術を行っていく。
そうすると肩の横の動きは180°まで動いてくる。
首の動きも左右ともに90°まで動いてくる。
そして、前回の施術からなぜ体の動きの硬さが戻ってしまうのかを説明して施術を終了しました。
【施術3回目(初回から6日経過)】
今回は全体的にしびれの強さが弱くなったと喜んでいただきました。
ただ上を向くように首を動かすとしびれが強くなるそうです。
検査すると肩は前側と横側ともに180°まで動いた。
首の動きに関しては左右ともに60°程度で止まってしまうので、肩よりも首の動きの悪さが目立っている状態。
手首の向きに関しては、仰向けに寝ていただいて手のひらが上を向くのが正常な位置に対して、まだ手のひらが下を向いた状態。
今回も体の循環を良くする施術と手首の向きを正常な向きに戻す施術を行った。
仰向けの状態で手首の向きを確認すると手のひらが上を向いた状態になりました。
普段から赤ちゃんを抱っこしたり、家事などもやらなくてはいけないので、手首や腕周りには非常に負担がかかってしまっています。
なので、手首の向きは毎回矯正していく必要があるという事を説明した。
【施術8回目(初回から30日経過)】
3回目からの経過としては、最初の手のしびれの強さを10だとすると今回は5ほどに落ち着いたということ。
手首の向きに関しては、最初よりも正常に近づいているがまだ戻りやすいところがあるので、手首から腕にかけてのストレッチを伝えていきました。
やはり首を上に向けるように動かすとしびれが出るという事なので、頸椎のねじれを取る施術も入れていきました。
【施術15回目(初回から48日経過)】
前回からの経過としては、しびれを感じることはほとんどなくなったと大変喜んでいただきました。
今回は首を動かしてもしびれることはなかったという事です。
しびれはほとんどなくなりましたが、これから仕事も再開されるということで再発しにくい体を作るために治療は継続していくことになりました。
<今回の症状のまとめ>
今回の症状は、体液(血液・リンパ液・脳脊髄液)の循環の悪さと手首の向きが大きな原因になっていました。
Hさんは産後のホルモンバランスの乱れと同時に育児などで手首を酷使していたことにより、手首が内側に捻じれてしまっている状態でした。
手首が内側に入ってしまうとそれに引っ張られて、肩まで内巻きになってしまいます。
肩が内巻きにはいると肩回りや首の筋肉を前に引っ張ってしまい、首が前に倒れてきて、肩や首の筋肉を硬くしてしまいそれが神経を圧迫すると結果的に手のしびれが出てしまうのです。
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著作者
小谷 渓太
陸上でケガをしたことがきっかけでこの業界に進み、鍼灸の専門学校を卒業し国家資格を取得。
その後そら整体院に就職したくさんの患者さんのお体を診させていただき治療を行っている。勉強会などにも積極的に参加して、日々勉強と経験を積んで少しでも多くの患者さんの症状を改善させるためのスキルを磨いている。
お電話ありがとうございます、
そら整体院でございます。