《症例報告》五十肩?実は手首の歪みが原因だった例

54歳 女性 主婦

主訴 :右肩痛

 

概要

もともと慢性的な肩こり腰痛はあったが、痛みを感じたことはなかった為気にしていなかった。しかし、2〜3週間前から肘に痛みが出始め、4日前に肩を上げた時の痛みが出現した為、五十肩ではないかと心配に思って来院。

 

検査

可動域検査 右肩外転時に痛みを伴う。著しく可動域が減少しており、手首のかたさがある。

腰の回旋、特に右回旋にかたさがあり、左仙腸関節の動きが悪い。

 

施術

1回目

循環の調整を行い再検査すると、右肩の可動に変化があった。手関節のズレにより手首が非常にかたくなっていた為、手首の問題から肘、肩の痛みを引き起こしていると判断し、手首の調整の施術を行う。

施術前は肩の可動域が外転で半分くらいだったが、施術後に痛みは残るが160°まで上がるようになった。

 

2回目(4日後)

右肩の可動域は前回の約100°の状態に戻っており、外転時の痛みも変わらずある。

前回と同様の施術を行う。

今回も痛みは残るが、右肩の外転の可動域は160°まで上がった。

 

3回目

可動域は戻っているが、痛みはほぼ無い状態。首の重さとダルさはある。

前回と同様の施術を行う。

 

4回目

今回も肩の痛みはほぼ無い。施術前の右肩の可動域は135°まで上がるようになった。

痛みが軽減され、可動域が上がってきたことを本人も実感し喜んでいる。

前回と同様の施術を行う。

 

この後同様の施術を続け、8回目の施術の時には施術前の右肩の可動域は約150°まで上がるようになり、9回目の時には170°、10回目にはほぼ180°まで上がるようになった。

このまま施術を続けていけば、恐らく肩と首のダルさも改善されていくでしょう。

 

解説

腕をあげる動作で肩に痛みが出たり肩が上げづらくなると、五十肩を心配する人は多いと思います。

中には整形外科等で五十肩の診断を受けて来院される方もいますが、肩に痛みがあり上げづらい状態でも五十肩ではないケースもあります。

五十肩になっていると、筋肉に炎症が起こっている為動かそうとしても全く動きません。急性期、慢性期には施術後の変化もありません。

今回のケースでは施術後に、残痛はあるが可動域に変化があったので、五十肩にはなっていないと思われたので、手首の歪みにより筋肉の拘縮・関節の可動制限がおきて、肘と肩の炎症に繋がったと判断しました。なので、手関節の調整をして動きを正常にしていったことで肘や肩の痛み、外転の可動制限に改善がみられたと考えられます。

 

今回は五十肩にはなりませんでしたが、肩に痛みがある、上がらないという状態でそのうち治るだろうとそのままにしておくと、本当に四十肩五十肩になる可能性もあります。五十肩になっても約1年をかけて治ると言われている為そのまま我慢する方もいますが、体力が落ちて自然治癒力が低下している状態なので、放置すると改善に時間がかかりますし痛みがなくなってからも肩の動きが戻らないこともあります。

 

動きづらさを感じたら、我慢せずに早めに治療を受けるようにして下さいね。