《症例報告》捻挫後の足首の骨のずれによる不調《改善例》

 31歳 男性 公務員 名古屋市昭和区在住

主訴:足首の痛み

 

概要

1ヶ月前にランニングをしていて段差で足首を捻ってしまった。その後、1ヶ月間ランニング時の痛みがなかなか引かず、以前は週1~2回、5~10km走っていたランニングの距離を、週1回、1kmまで落としてしまっていた。体力を必要とする仕事をしているので、体力維持のためにもランニングを再開したく来院。4年前からの腰痛も改善したいとのこと。

 

検査

  • 骨盤の傾きが強く、足の長さの差も大きい。
  • 左足首の動きが悪いために、踵を地面につけてのしゃがみ込み不可。
  • 骨盤の関節のまわりも固く、左股関節の動きも悪い。

 

施術

 

初回

ヒアリングと検査結果をもとに、捻挫後の足首の骨の位置異常と判断。

足首の動きの固さの原因である、距骨を調整する。

施術後、しゃがみ込みができるのを確認し、初回はこれで終了。早期回復のために運動は一定期間、一切停止してもらうよう説明した。

 

2回目(1日後)

前回から、日常生活での足首の違和感、痛みはなくなる。

腰も軽くなっているのを感じるが、「仕事中に痛みが出ないか心配」と話していた。

前回の施術後と比較して、足首の可動域は正常。

2回目はこれで終了。

 

3回目(6日後)

前回の足首の可動域と比較、正常を保っている。

右の股関節の固さが目立つので、腰の骨を触れるぐらいの力を加え矯正し、股関節の可動域を出す。

3回目はこれで終了。

 

4回目(12日後)

やはり股関節が固くなっていたので、再度可動域を出す。

足の関節の可動域は正常。2~3kmほどの軽めのランニングをしてもらうように指導。

 

5回目(22日後)

軽めのランニング時の痛みはない。5~10kmほどのランニングを指導。

仕事で重い装具をつけた訓練があったが、腰痛は出てこなかったとのこと。

 

6回目(31日後)

「以前のように10km走れるようになりました、全然痛みはないですね。」と喜ばれていた。

まだ骨盤のずれや、足首の固さはあるので無理しないようにと指導する。

以降は、再発をしにくくしたいという本人様の希望で、骨格が正しい場所に安定するまで施術を続ける。

 

解説

実は捻挫して、骨の位置がずれた状態でそのままになってしまうケースは多いです。

 

 捻挫したとき時、靱帯を引き伸ばされるのですが、同時に足の骨も引きだされてそのままになってしまうことがあります。そうなると、足がきれいに曲がらなくなり痛みまで出てくることがあります。

 今回は、受傷から1ヶ月で来院されているので早い段階で症状が消えてよかったです。

 

余談ですが、この状態が放置された場合、腰や肩の症状が出てきて慢性化してしまうことがあります。

 例えば、何年も腰痛がある患者様にお話を聴いた際、「何がきっかけで、腰の痛みが出てきたかわからない」という話はよくあります。さらにお話を聴いていくと、「そういえば昔やった足の捻挫のあとから腰痛が始まった気がする…」なんて話になったりします。

 捻挫をしたら、テーピングや固定も必要ですが、足の骨の矯正も必要かもしれません。

 

過去にそんな経験がありなおかつ体に不調のある人は一度ご相談くださいね。