肩こりの原因
日本人にとってなじみのある肩こりですが、外国では肩こりの認識がないというのはご存知でしたか?
肩関節の痛みや首の炎症としてとらえることはあっても、日本人と同じような肩こりという言葉と、同じ意味合いで理解することはまれなようです。
肩こりの症状について来院される患者様から聞くのは、
首や肩甲骨まわりの筋肉がこった状態。肩がこっている人の多くは首すじから肩にかけての僧帽筋と言われる筋肉がこっていると感じている事が多いです。
「肩こりは揉んでも治りません」
「肩凝ってるから揉んでくれ」と頼んだ経験はありませんか?
首~肩の周辺には多くの筋肉がありますが、僧帽筋や肩周辺の筋肉だけをほぐすのでは実は根本原因の解決にはなりません。
実はこっている部分はもちろんのこと、僧帽筋周辺にも緊張が伝達されていて、筋肉よりももっと体の深いところにある肩甲骨の固さや頸椎の捻じれ、姿勢の悪さ(肩が前に出てしまい、猫背のような状態)から肩こりを誘発するんですね。
特に肩こりのひどい人は姿勢が悪い事が多いです。(いわゆるねこぜのような状態ですね)
なので、肩こりにマッサージをしてもその場は気持ちいいかもしれませんが、根本原因である骨格のねじれや姿勢の悪さの問題は取り除かれないので、またすぐに肩こりを繰り返してしまいます。
まだ肩こりの症状が軽い方であれば徐々にストレッチやエクササイズを取り入れて、肩こりを解消したいものですが、筋肉や骨の構造まで理解することはなかなか難しいものです。
日ごろ運動をしていない人も、運動を行っている人も、一度専門家の意見を聞き、肩周りの筋肉をまんべんなく使うストレッチやエクササイズを指導してもらうことをおすすめします。
正しい知識を得ることこそ、根本から肩こりを改善させる近道ですね。
肩こりと筋肉痛の違いは?
肩こりとはいえ、症状が重い人は肩に激痛が走り、肩が上がらなくなってしまう事もあります。
同じ姿勢を取り続けることで筋肉がこりかたまると、筋肉がストレスを感じ、痛みとして信号を出していると考えられています。
痛みは日がたつにつれておさまることはあっても、肩がこった状態は続きます。
激しいスポーツや普段行っていない運動をした後の筋肉疲労は、日がたつにつれて症状が緩和され、重症でない限り痛みは消えていきます。
一方肩こりはマッサージなどで一時的に緩和されても、数日経過するともとの状態に戻り、なかなか完治しないところが、筋肉痛との違いといえますね。
生活習慣による肩こり
交通事故によるむち打や、持続的に筋肉が収縮するジストニア、内臓疾患が肩こりを引き起こしていることもありますが、多くは生活習慣が原因といわれています。
週末や連休中につい暴飲暴食をする事はありませんか?
食事の量やアルコールの量が過大になると、内臓が食物の消化にいつもよりフル稼働しなければならないため、内臓疲労がおこります。
日頃の疲労を分解するには内臓の働きが必要ですが、暴飲暴食により内臓疲労が起こる事により、疲労がうまく分解できずに溜まってしまう事で、肩こりや腰痛をひきおこします。
ぜひ普段の生活や習慣を見直してみてください。
このような事はありませんか?
・姿勢が悪い、または姿勢が良すぎて反り気味
・パソコンやスマートフォンを長時間行い、目が疲れ気味
・同じ姿勢でいることが多い
・ストレスを抱えやすい
・肘をつく癖があるなど、左右差がある姿勢をとることが多い
・運動習慣がない
・睡眠不足でいつもすっきりしない
・虫歯があるなど噛み合せが悪い
・冷え症
不規則な仕事など、急に変えることができない生活習慣を改善するポイントは、少しずつできることからやっていくこと。
目の疲れを癒すアイマスクを使い、リラックスできるアロマをたき、良質な睡眠をとれるようにするなど、リラックスアイテムを活用するのもおすすめです。
また、女性に多い冷え症は、男性より筋肉量が少ないことも要因の一つ。
日ごろから無理なく継続できる運動を取り入れて冷え性を予防していけたらいいですね。
冷え性と肩こりの関係
体が冷えると、血流が悪い状態で筋肉の収縮により熱を生み出そうとするため、体全体に過度な緊張が生じ、肩こりの原因になります。
さらに体温が下がると免疫力を低下させ、血流を悪くし、女性特有の症状や睡眠の質の低下にもつながります。冬はもちろんのこと夏はクーラー冷えの対策をし、体を温める食事を積極的に摂るようにしたいものです。
また、過度な食事制限によるダイエットも体に必要なエネルギーが不足し、冷え症や自律神経の乱れ、女性特有の症状を悪化させることもあります。
体が冷えることで自然に防御態勢になり、姿勢が悪くなり、慢性的な症状を引き起こす原因にもなります。
肩こりは多くの日本人が認知している一方、その根本的な解決に至っていないことがとても多いです。
日常生活に支障をきたすほどの痛みがあり、肩こりだけではなく、しびれや吐き気など、他の症状も伴う場合は注意が必要です。
気になる症状があれば、症状を長引かせないためにも、はやめに専門家に見てもらうようにしてくださいね。
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