《症例報告》肩の痛みの原因はストレスと循環器系のトラブルだった

65歳 女性 主婦

 

主訴:左肩痛・痺れ

 

概要

1週間ほど前より左肩に違和感を感じマッサージチェアーでほぐしたら、次の日には肩を一周する範囲で肩全体に痛みが出だした。

徐々に強くなり湿布で対処していたが、自転車のハンドルをもつ動作で左腕全体のダルさと痺れ、睡眠時に寝返りが出来ないほどの痛みを感じるようになり眠れなくなった。

整形外科で五十肩の診断を受け、針治療を勧められたが、針に抵抗があったことと予約日が1週間後だった為、早く対処したく当院へ来院する。

 

検査

可動域検査 左肩外転時と首の左回旋時に痛みがあり、可動域が減少している。

腰の回旋にも可動域の減少がみられ、両足首と右膝に固さが出ていて右短下肢になっている。

 

施術

1回目

高血圧の治療中で、血圧が上がると痛みが強くなるとのことだったので、血液循環に問題があると判断。

左肩の痛みが強く仰臥位でも側臥位でも痛みが出る為、初回は循環の調整のみ行う。

施術後、痛みは変わらないが左肩は上がるようになったため、五十肩ではないことを説明した。

 

2回目(2日後)

前回と比べ痛みやダルさは変化なし、痺れは少し良くなっていたが、可動域は初回の状態に戻っていた。

痛みが強く出ていて関節を触れる状態ではなく、睡眠が取れていないことで回復力が落ちているので、回復力をあげる為に今回も循環の治療を行う。

 

3回目(3日後)

ダルさは変わらないが、仰臥位になった時の痛みが軽減していた。

前回と同様に循環の調整をして、座位で左肩、肘の調整を入れた。

 

4回目(4日後)

仰臥位でも痛みは無く、夜も寝られるようになった。血圧も安定しているとのこと。

前回と同様、循環の調整と肩と肘の調整をして終了。

 

5回目(5日後)

施術前の肩や腰の可動域がだいぶ良くなっている。

良くなっていることを伝えると、「自転車に乗った時のダルさがなくなったんです!」との返答を受けた。

前回と同様の施術を行い、足首や膝の固さの影響で捻れていた仙骨に調整を入れた。

この調子で施術していけば、恐らく左肩の痛みは問題なく改善されるでしょう。

 

解説

循環器系のトラブルで左肩を一周する範囲で痛みを生じることがあります

もちろんそれだけで痛みを出すわけではありません。

 

ですが、今回のケースでは、もともと高血圧だったとのことで循環に問題がありました。

更に話を聞くと、痛みの出る数ヶ月前にプライベートであったストレスで、十分な睡眠が取れない時期が続いたとのことでした。

恐らく、ストレスにより自律神経が乱れたことで回復力が低下して痛みを出していたと考えられます。

 

なので、まず問題になっている循環の調整をすることで、状態が安定し血圧が落ち着いたことが左肩の痛みの改善に繋がりました。

 

肩の痛みでもこのように直接的に肩に問題がないケースはよくあります。

施術やセルフケアを頑張ってるけど効果が出ないという方は一度ご相談くださいね。